40代のゲームな休日。

ファミコンもスーパーファミコンもプレステも。

ミステリと…【ポートピア連続殺人事件】

かつて一世を風靡した「刑事モノ」ドラマ。「太陽にほえろ!」や「あぶない刑事」は有名どころですが、「刑事貴族」「ゴリラ」「大都会」なんていうタイトルも、私世代には懐かしい思い出ではないでしょうか。こういったドラマは大抵一話完結ですから、見逃しを気にせず見られたのがよかったですね。

さて、今回ご紹介するのは、これも最近めっきり数を減らした「アドベンチャー」というジャンルから。

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BGMは冒頭のサイレンのみ。潔し。

堀井雄二三部作の第1作ポートピア連続殺人事件です。発売は1985年の11月ですから、あの「ドラゴンクエスト」の1年前、ということになります。最も、リリースがその日ということですので、ソフトの開発自体はもっと前ということになるでしょうか。世の中の娯楽がファミコンの登場で大きな転換をしていたころ、まさに新たなジャンルを切り開くべく登場したソフトといってもいいでしょう。

舞台は兵庫県神戸市に実在する「はなくまちょう(花隈町)」から始まります。金融会社の社長が何者かに殺害されたという一報を受けたボス(プレーヤー)は、相棒のヤスとともに事件解決に向けて奔走する、というストーリー。(アドベンチャーというジャンルの性質上、内容を多く語るとゲームの醍醐味が失われる恐れがあるのでこの辺りでやめておきます。)

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遺体の輪郭線がドラマを彷彿とさせます。

システムはコマンド選択型のアドベンチャーゲームです。先日、改めてプレイしてみましたが、1時間ほどでクリアできました。いくつかの証拠品集めと「堀井アドベンチャーの特徴ともいえるイベント」のみ攻略情報を検索しましたが、他はスムーズにシナリオが流れていく印象でした。

逆に言えば、アドベンチャーに位置しながら、あまり推理力は必要としないというのがこの作品の特徴かもしれません。重要な捜査情報は、(ある程度話を進めていれば)探すというよりはタイミング良く飛び込んでくるので、シナリオに身を委ねている感覚にも似ています。刑事ドラマのようなテイストを残しつつ、どこをゲームとして楽しませるのか。開発の方々のそんな工夫が伝わってくる作品になっています。

本格ミステリのような推理作品を望むならば、もう少し後期に出されたソフトを楽しむのがいいのですが、一話完結の2時間サスペンスみたいなものが好きな私には、ファミコンアドベンチャーゲームがちょうどいいようです。

 

では、今宵も素敵なゲームライフを。

 

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