英傑は華と散る【PS版三國志Ⅳ】
年末が近づくにつれ、徐々に「奴」も近づきます。
大掃除。
できれば、目を向けたくない…。基本めんどくさがりな私は、毎年意を決してこの一大イベントに参加するのですが、決心するまでが大変。といって、毎日コツコツやる派でもなければ、計画的に少しずつやる派でもないので、結局悩んだ時間だけが積み重なってしまうという、もったいない年末のひと時を過ごすことになるのです。今も、「年賀状」という現実に目を背けてブログを書いています。だめだこりゃ。
さて、大掃除で(そんな瞬間が来ないことを祈っていますが)コレクションしている諸々を整理しなければならないとしたら、「これだけは残してくれ!」というのが三國志です。関連雑誌(ビジュアル百科、とか、「三国志最強はだれだ?」みたいなムック)が数冊、吉川英治氏、北方謙三氏の小説版『三国志』ともに全巻、横山光輝氏の漫画『三国志』文庫版全巻、荒川弘氏漫画によるアンソロジー『三国志魂』上下巻…。私の半生を彩ってくれたのは間違いありません。そして、ゲームでは先日紹介した「三國志Ⅳ」。
スーパーファミコンカセットを持っていながらWiiUのバーチャルコンソールでもダウンロードするという溺愛っぷり。ちなみに我が家のスーパーファミコンは依然として元気。プレイできるにも関わらず、そのままの移植ソフトを買ってしまうという…。
そんなわけで、今回は「容量は増えたけど、あとはどこが変わった!?」という移植だったPS版三國志Ⅳについて紹介したいと思います。今回は趣味全開です。一部、三國志を知らない方には不親切な表現もあるかもしれませんので、御了承いただければと思います。
実写映像の演出
まずはオープニングから。パッケージにもある通り、「軍師推し」なのが三國志Ⅳの特徴です。(今までなら関羽や陳宮も軍師になれたのに。彼らの怒りは「マスターブック」参照。)三國志演技の中でも、軍師が大活躍したシーンの一つ「赤壁の戦い」がドラマで再現されています。ファンは見入っちゃいますね。
ま、フィクションなんですけど。
続いて、戦略フェイズの画面。戦争や人事登用、外交といったコマンドを実行すると、小窓で実写ドラマが流れます。
「デュデュデュデュ、デュデュデュデュン♪」
という独特の重たいSEと共に。
……この効果音、必要かなぁ。個人的に「ⅣはBGMも最高!」と思っているだけに、このSEはもったいない。取ってつけた感が否めません。もっと軽快なメロディーだったら、演出の印象も違っていたんじゃないかと思います。うーむ、鶏肋、鶏肋…。
CGの進化
スーパーファミコンでは出せなかったCG演出も随所に見られます。
オープニングの実写演出が終わったあと、中国大陸を駆け巡る龍が現れます。この立体感はPSならでは。
プレイヤーセレクト画面。ここにも、背景に龍が描かれています。龍推しですな。移植、ということですからまぁいいんですけどね。ここの龍を削って、たとえばモブキャラの顔デザインを増やす、みたいなことはできなかったのかなぁ?とか思っちゃったりします。劉賢と鄧賢、見分けがつかん。
表示方法の見直し
スーパーファミコンだとクォータービューっぽくなっていて、一画面に2〜3都市分しか表示されなかったのですが、広い中国の大地を表すにはいい演出でした。今作では、ほぼ上から、州単位で見渡せるようになっています。また、都市の規模や関の有無などもはっきりわかりますね。(本作では内容に関係ありませんが)山や平地、森といった地形もくっきり見えるのは、地理好きとしてはたまりません。
武将の特殊能力も、色付きではっきり見えます。というか、背景が白黒になった分だけ目立ったというところでしょうか。文字などは少し小さい印象です。
戦争中の画面では、天候と風向き、風の強さの表示が変わりました。スーパーファミコン版では記号とイラストのみでしたが、今回は文字で書かれています。わかりやすい。
SE、BGM、グラフィックの強化
実写演出でも触れましたが、基本、サンプリング音だったスーパーファミコンとは違い、PS版はかなりクリアな音でBGMが流れていきます。
一騎討ちでは、武将が武器をクルクル回したあとに、
「でやぁぁぁぁっ!」
と叫んでくれます。
…みんな同じ声ですが。
他にも、武将の動きが滑らかになったり、草原がゆらゆら風に揺れていたりと、細かいところで演出が強化されています。
で、結局どうなのか。
結論からいうと、どっちもありです(そりゃそうだ)。買ってしばらくは、PS版の演出に「すごいなぁ。」と思いながらプレイしていましたが、ある時、「これ、要るかな」と思う瞬間が訪れるのです。孫策で甘寧を引き抜こうとしている時も、実写画面にはまるで「それっぽくない人」が現れるので、かえって想像力を損なってしまうんですね。そんな時は、スーファミ版へ戻る。CG演出がない分、サクサクプレイできます。でも、ある時にまた「あのクッキリ画面でプレイしたいなぁ」とか、「セーブが1つしかできないなぁ」と思う瞬間が来るわけです。そうなったらPS版へ。
私の「三國志Ⅳ愛」はこれからも無限に続きそうです(続編ありかも)。
では、今宵も素敵なゲームライフを。
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