ハンカチを片手に。【FFⅣ】
ー1991年。
「カンチ!」
テケテテンッ♪ テーテーテーテー♪(←「ラブストーリーは突然に」のつもり)
見た人なら一度は心を奪われたであろうこのフレーズ。いわゆる月9の人気を不動のものにした「東京ラブストーリー」です。
「ぼくは死にません!あなたのことが、好きだから!」
東京ラブストーリーの後を受けたドラマ、「101回目のプロポーズ」。武田鉄矢さんとともに、教室には「SAY YES」旋風、チャゲアス旋風が吹き荒れていたあの頃。ゲーム業界でも後世に残る名作が誕生したのでした。
同年1月、既にエニックスは「ドラゴンクエストⅣ」をファミコンでリリースしていました。当時、私の周りではドラクエとFFでRPG人気をほぼ二分していたこともあり、FFの次回作にも期待が高まっていました。そして、7月。スクエアはファミコンではなく、前年度に発売された次世代ゲーム機、スーパーファミコンで新作をリリースしたのです。最もシェアの大きいハードで出来る最終形を見せたドラクエと、次世代機で表現の質をあげてきたFF。現在は同じ会社のゲームになりましたが、2つの作品の決定的な差が生まれたのはこの頃かもしれませんね。前置きが長くなりましたが、そんな名作を今日は紹介していきます。(一部、序盤のネタバレも含みます。ご注意ください。)
暗黒騎士 セシル
物語は「飛空挺」から始まります。
圧倒的な武力を要する大国「バロン」に生まれ、国王に暗黒剣の使い手として育てられたセシル。彼は国のため、国王の恩に報いるため、飛空挺団の隊長として「クリスタルの奪取」と言う任務を遂行します。しかし、向かった先は無抵抗の魔道士ばかり。部下からも次第に不満が吹き上がるようになるのです。
「いいか みんな! クリスタルは わが バロンこくの はんえいのため どうしても ひつようだ。」(セシル)
部下を説得しつつ、王の最近の心変わりに一抹の不安を覚えるセシル。命令と良心の狭間で揺れます。開始数分で、もはやフラグが立ちまくりの熱い展開ですね。
ローザ、その愛
疑念を王にぶつけるセシルでしたが、あえなく玉砕。飛空挺団の任を解かれ、代わりに辺境の洞窟の幻術討伐の命を受けます。出立は翌日。実質的な左遷扱いですね。正しいことが通らず、信じていた王にも見放されたと感じてしまうセシル。失意のまま部屋へ戻る途中、同じく幼い頃から白魔道士として育てられたローザと言葉を交わします。
「後であなたの部屋へ行くわ…。」
いいなぁ!セシル!(嫉妬)
励ますために部屋を訪れたローザでしたが、セシルの心の傷は思ったより深いのです。心配をしていることを精一杯伝え、ローザは部屋を出ていきます。
ぼくは あんこくきし。 しろまどうしの きみとは…。(セシル)
どうやら白魔道士と暗黒騎士は反属性の様子。2人はこの先どうなっていくのでしょう。当時の私は、トレンディードラマの展開よりもこっちが気になって仕方ありませんでした。
カインとの旅立ち
話は前後しますが、王とのやり取りでセシルを擁護してくれたのが、彼と同じように幼い頃からバロンで竜騎士として育てられた親友、カインでした。彼もまた、セシルの肩を持ったということで左遷されてしまいます。
- 心変わりをしたとされるバロン王のクリスタル強奪の意図とは?
- 幻獣討伐の真の目的とは?
- セシルとローザの恋の行方は?
と数々のフラグを立て、ここにFF4の話がスタートするのです。
「最新」ハードの魅力満載
1990年に発売されたスーパーファミコンは、「スーパー」を冠した通り、ファミコンとは比べ物にならない性能が満載でした。過去ブログでもその辺は少し触れましたが、私は、グラフィックと音楽に魅了された子の一人でした。
もちろん、グラフィックや音でいえば、先行していたPCエンジンに一日の長があったことは間違いありません。定価も発売当時はほぼ同じだったのですが…。既存のファミコン派がどちらに乗ったかも大きいかと思います。私の周りは8:2くらいの割合でスーファミ派でした。上の兄弟がいた友達はPCエンジン率が高かったですね。
FF4は従来の面白さに加え、ファミコンよりも1ランク上の音と画質を引っさげてやってきたのです。FFといえば、まるで小説を読んでいるかのような「シナリオ展開の面白さ」には定評がありました。今やるとすれば、当時を懐かしみながら、ぜひストーリーにじっくり浸って欲しいと思います。
泣くよ。
私は泣きました。どのシーンかはやってみてのお楽しみです。
では、今宵も素敵なゲームライフを。
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