志は天を翔る【三國志Ⅳ】
「文化の日」です。
もともとは明治天皇の誕生日だったそうですね。戦後は日本国憲法の公布日、そして文化勲章の授与式の日、というのが一般的でしょうか。「文化」という言葉だけを取り上げるなら、歴史好きの筆者にとって「大陸文化(≒中国文化)」と日本との関わりを思い起こさずにはいられません。日本が狩猟と採取、米作りの弥生時代だったころ、お隣中国では↓
軍船で水上の戦です。戦争ということを脇に置いておいても、その文化の先進性たるや、凄まじいものがあります。そんなわけで、今回はKOEIさんのシリーズ4作目、「三國志Ⅳ」にスポットを当てていきたいと思います。
出会い
私が三国志に出会ったのはまだ小学生の頃でした。当時はファミコン「三國志」が出たばかりの頃で、何歳か上の友達に「面白いから一緒にやろうぜ!」と誘われたのがきっかけです。「ファミコンといえばマリオ」の世界にいた小学4年生は、君主の顔と文字だけの画面に首を傾げるばかり。「初めてだから、とりあえず曹操でいいよ!」という友達がくれたアドバンテージにも全く気づかず、ひたすら「訓練」を繰り返す。1作目は1ターンに1行動だったんですね。ペースがわからず、全然進まない。気がついたら帰る時刻になっていて、「あれはいったい何だったんだ」と最後までわからずじまいでした。(帰宅したら帰宅したで、親から「あんた友達の家でゲームしてきたんでしょ。今日はゲーム無しね。」と言われる始末。いや、母ちゃん。俺はひたすらボタン押してただけだよ、「訓練」しかしてねえんだよ…。)
時は流れて高校生。ある時、クラスの友達からこんな話を持ちかけられます。
「俺、今月金欠でさあ。このソフト、1000円で買ってくれない?」
それが「三國志Ⅳ」でした。歴史の授業や横山光輝氏の「三国志」に触れ、すっかり三国志に魅了されていた私。即答で「可」でした(三国志的に)。
5つのおすすめポイント
三國志は他のナンバリングシリーズも経ているのですが、やっぱり私はこのⅣに戻ってきてしまいます。リメイク(PS,DS)やバーチャルコンソールでも買い直してしまうほどの溺愛っぷり。(SFCカセット持ってるのに。)おすすめのポイントをあげるとしたら、以下の5つです。
- クリア(中国統一)までの程よい時間
- ターンの行動制限が(実質)なし
- 野戦、攻城戦、海戦(水上戦)、関戦、古戦場など個性豊かな戦場
- 武将の能力に応じて活躍の機会が与えられる「特殊能力」の導入
- 長尾淳さんによる壮大かつ流麗なBGM
以上はかなりの「主観」です。他の作品にもそれぞれに良さがあると思います。ただ、社会人になった今、のんびりとやるならこれくらいのスケールがいいなぁと感じています。
(全く余談ですが、スーパーロボット大戦の最新作「30」を先日手に入れました。久々だったのでグラフィックの進化と共に、「こんなにやり込める要素があるのか!」と驚いたものです。つい「寄り道」をしたい私は肝心のストーリーがあまり進んでいません 笑)
20年の時を超え、いざプレイ
さて、「何度もやった」というものの、スーパーファミコン版は一度もクリアしていないことを思い出しました。当時は、途中で違う作品に目移りしてしまったのです。PS版では劉備で、リメイク「三国志DS2」では曹操でクリアしました。今回は…
公孫瓚で。
孫家も考えました。もちろん。でも、今まで一番挫折したのが「孫堅プレイ」だったのです。何故か途中でやめちゃうんですね。もしかしたら、ドキドキが少ないのかも。シナリオ序盤の曹操や劉備は、配下には恵まれているものの董卓や袁紹という強敵が近くにいます。それなりに緊張感をもってプレイしないとやられる。孫堅はどうかというと、近いのは劉表、劉繇、厳白虎……。怖いのはむしろ在野の太史慈、という始末。そんなわけで、袁術と並んで「最も序盤に大勢力にやられる君主」、公孫瓚で始めることに。
序盤のステータスとしては悪くない公孫瓚。資源はまずまず、周りに空白地も多い。が、
- 配下の能力が低い
- 大勢力(袁紹)と隣接
- 本拠地の人口が少ない
この3つがネックです。劉備も同じような条件ですが、関羽、張飛、簡雍という素晴らしい配下に加え本拠地の平原は人口ベスト10に入る好立地。袁紹と隣接していても当面は大丈夫でしょう。一方、籠城戦もままならない我らが公孫瓚。このままでは最北の襄平に追いやられて万事休すです。ここは、名著(迷著?)『三国志Ⅳマスターブック』に倣って、「空白地で略奪徴兵しまくって疲弊した隙に洛陽を奪取」作戦でいきます。
この作戦は他の弱小君主でも応用が効きます。(というか、この方法;兵力を一時的に強化し、数で押し切るしかない。某攻略本の「まずは同盟を」は使えません。同盟を結べる確率も低いし、結んだところで破棄されることもあるので安定感に欠けます。)訓練度が低いのでこちらも多少の犠牲は出ますが、CPUは部隊を分けがちなので2万を一部隊にまとめておけば押し切れます。また、勝った後に手に入る洛陽は人口ナンバー1。減った分の兵力もすぐにカバーできます。(徴兵で民の忠誠度が減った空白地には目をつぶりましょう)
人材、ゲットだぜ
こうして、(数にものを言わせて)無事洛陽を手に入れてからが本当の始まりです。呂布に注意しながら、「1部隊のみ作戦」で董卓勢力を削いでいきます。袁術と隣接していると、計略「流言」でちょっかいをかけてくるので、これも全力をもって屠ります。このとき、くれぐれも勢力(支配都市)を拡大しないこと。支配都市が増えると収入も増えますが、管理できる有能な配下が増えるまでは我慢です。
こうして、能力値80以上をもつ武将を配下に加えることができました。Ⅳは能力重視の作品なので、配下武将がいることが今まで以上に重要になった作品です(火計は「火計」の能力をもっていないと使えません。)能力が低い武将は低いなりに使い所がありますが、もっとも重要なのはマスクデータの「義理」。この値が低いと謀反を起こしやすいので、名著『三国志Ⅳ 武将ファイル』でチェックします。呂布を斬るか配下に入れるか毎回悩みますが、今回は哭いて斬りました。
(このマスクデータを調べる作業をして「攻略本商法だ」と揶揄する向きもあるようですね。私はこの作業こそ好きなので、全然苦になりませんでした。むしろ『武将ファイル』などはきちんと監修されていて、一つの歴史物語のように読めます。)
宿敵、袁紹に挑む
さて、董卓、袁術、馬騰を退け、中国一の勢力になった我らが公孫瓚。その勢いで劉備も併合し、いよいよ宿敵袁紹(黄)に挑みます。
向こうもそこそこの勢力ですが、ここは武将の能力で押します。こちらには、馬超、関羽、張飛、趙雲という後の五虎大将に加え、賈詡、荀彧を有しています。
そんなこんなで、とうとう…
やりました!ついに怨敵袁紹に勝った!
と、公孫瓚の気持ちになりきってプレイするのもまた一興です。ゲームに限らず、好きなものに感情移入している瞬間は、やっぱり楽しいものですね。最近は三国志ブームもだいぶ下火ですが、「推し」なんていう言葉も出来ましたので、これからも推していきたいなぁ、と思います。なお、推しのゲームはまだまだありますので、懐かしみたい方は下記事を参考に、ぜひプレイしてみてください。
では、今宵も素敵なゲームライフを。
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